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通勤快読ブックレビュー

電車の中で読む本はないかとお探しのあなたに。新旧とりまぜて。

藁の楯 【木内一裕】 (2004)

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【あらすじ】

「この男を殺してください。お礼として10億円お支払いします。」

孫娘を犯人・清丸に殺された政財界の大物・蜷川は、犯人の首に懸賞金をかけたのだった。警視庁は清丸を自首先の福岡から東京まで護送するのだが、一般市民だけでなく、警察官、機動隊員までもが懸賞金に目がくらんで清丸をつけ狙う。果たして護送チームは清丸を無事に警視庁まで護送することができるのか・・・。

【感想など】

とても面白くて、一気に最後まで読んでしまいました。

まず、舞台設定が突拍子もないのですが、秀逸ですね。懸賞金をかけられた犯人、そしてその首を狙うのが一般市民だけでなく、警察官、機動隊員といった身内の者まで出る始末。誰が敵なのか、どこに潜んでいるのか、どういう手段で狙ってくるのか、心休まる暇がありません。

そして、人間のクズのような犯人を護送しなければならない警視庁SPの葛藤が、良く伝わってきます。正義を行うために警察官になったのに、仕事とは言え、悪の塊のような犯人をなぜ守らなければいけないのか。時に仲間、同僚に銃を向けてでも任務を遂行しなければいけない、その任務に果たして価値はあるのか・・・

逆に、犯人・清丸の醜悪ぶりが浮き彫りになっています。思い出しても気持ちが悪くなるくらい最低のヤローですが、それだけに、警視庁SPの内面の葛藤がより一層際立ってきます。

読後感は「スッキリ!」とまでは行かず、(テーマがテーマだけに)「うーん、なんだかなー。」という感じではありますが、読み応えのある一冊です。

【評価】

★★★★✩

【映像化】

2013年に映画化されています。主人公の警視庁SP・銘苅に大沢たかおさん、同じくSP・白岩に松嶋菜々子さん、犯人・清丸に藤原竜也さんという配役です。内面の葛藤を抱えながらも任務を実直に遂行するSP役の大沢たかおさんは、見事にハマってますね。ですが、それにも増して、最低ヤローの犯人役を実に憎々しく演じ切った藤原竜也さんが素晴らしかったです。

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